小さな人

Posted by 東山弘明(KOUMEI) on   0 comments   0 trackback

40年以上も前の話
小学校に入る前の「小さな人」は、引っ越して来たばかりの東京の片隅で
一人ボールを投げて遊ぶのが好きでした。

すると、100メートル位先でいつもバットを振っている少年がいました。

日に日に、その少年との距離が短くなっていきました。

ある日の事、「小さな人」は胸をドキドキさせながら「ボール打ってみる?」と話しかけると
少年は「うん」と言って、「小さな人」の願いを叶えてくれました。

少年の名前は「ケンちゃん」と言います。

来る日も、来る日も二人で遊んでいると、次第に他の少年達がどこからともなく
集まって来ました。自然に野球のゲームができるまで、少年達の数が増えていきました。

小学校に入ると、「ケンちゃん」とは違うクラスで、また他の少年達も同じ学年だけでなく
上の学年の少年だったりと、後で思うと、よくこんなに仲の良い友達が、学年、学級を
超えて集まったものだと感心したことを覚えています。

そして、小学校に入ってからも、来る日も来る日も「ケンちゃん」と「小さい人」が
中心となり、暗くなるまでゲームを楽しみました。

ある日の事、中学生の野球部の人が来て、ノックをしてくれました。

しかし、ちょっとした不注意で「ケンちゃん」と「小さい人」の絆のバットに
ひびを入れてしまいました。

「ケンちゃん」は大泣きをしました。
皆はなんでこんなに泣くのか分からなかったけれど、「小さい人」にはその理由が
痛いほどよく分かりました。


そして、突然、その日が来ました・・・。

父の都合で、また引越しをすることになりました。

父はとても怖い人だったので、「小さい人」は何も言うことはできませんでした。

せっかく作り上げた大切なものが、あっと言う間に壊されていくような
不安と悲しみと苦しみをいっぺんに知らされることになりました。

「もう、友達は作りたくない・・・」
小さな人の心は傷つきました。

引越しの前の夜、小さな人はケンちゃんの家に泊まりました。
一日中、話をし、遊びました。
お土産に大きなケーキを貰いました。

家に帰って、誇らしげに「こんなに大きなケーキを貰ったよ」と言ったら
父が虫の居所が悪かったのか、次の瞬間、そのケーキは私の顔にぶつけられていました。

全く理解できぬまま、小さい人が好きだった柿の木の下で、ただただ泣いていました。

ふと夜空を見上げると、きれいな星空でした。
あの時見た天の川が、今でも心の中に写し出されます・・・!

最後の別れの日、小さな人を送りに、全員が集まっていました。
でも、小さな人はみんなの顔を見ることができませんでした。

特に「ケンちゃん」には、何も言う事すらできませんでした。

ただただ、こんなに苦しいのなら「もう友達なんかいらない」そう思いました。

母に手を連れられ、その場を離れました。
「なんで挨拶くらいしないの?」
小さな人は下を向いたまま、後ろを振り返ることもなく、その場を離れることとなりました。

「さよなら」「さよなら」「ケンちゃん」「タックン」「トモクン」「・・・」
小さな人は心の中で、何度も何度も叫びました。

あれから小さな人は、何度も忘れようとしました。
もう自分には必要ないと、決め付けたこともあります。

でも、本当に忘れたと思っていても、どこかで下を向いて悲しんでいる
「小さな人」がいることに気付いてしまいます。

ある日無性に、あの時、あの場所がどうなっているのか見たくなりました。
そして、勇気を持って、行ってみることにしました。

40年以上も経っているのに、まるでタイムスリップをしたかのように
あの場所は「そのまま」でした。
ボールを投げていた壁も、表札の名も変わらぬまま・・・

まるで「小さな人」が戻ってくるまで待っていてくれたように・・・


そして、私は決心しました。
小さい人が表れた時、必ず小さい人を大切にし、向き合い、キャッチボールをしたり
一緒に話したり、いつも一緒に話しかけました。

すると、だんだんと小さい人は人見知りをしなくなり、下を向くことが少なくなり、
笑顔が出てきました。

いつも一緒に「小さい人」とあの場面へ戻ることにしました。
「ケンちゃん」から貰ったあのケーキを、家族で楽しく食べ
次の日、見送りに来てくれた少年達、一人一人に握手とハグをして
「また来るよ」「ありがとう」と声をかけ、最後に「ケンちゃん」を思いっきり
抱きしめました。

小さい人は笑顔で元気よく、その場と別れることができました。
「新しい学校でいっぱい新しい友達をつくろう」
小さい人は、最高の笑顔でみんなと別れることが出来ました。


その後、私の心は穏やかで、小さい人はいつも笑顔で話しかけてくれます。

小さい人との関係が癒されてから、私は解放されました。
何か今までに無い、大きな力が、私の中からこみ上げてきました。

そしてこの力が、全てを癒すことのできる「愛」であることを
身をもって知ることが出来ました。

「その力」は苦しみ、悲しみの過去をクリアーにしてくれます。

本当に魔法のような奇跡の力なのです!

小さい人を愛する事により、初めて理解できました。

このことを学んでから、私の心はいつも穏やかです。



    小さい人に感謝をこめて     

                       インナーチャイルドより




―スピリチュアル ヒーリング―






Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://vibrant528.jp/tb.php/195-0f3fcb19